問屋とは
「といや」ともいう。江戸時代の卸売業者。鎌倉,室町時代には問,問丸 (といまる) といわれた。
江戸時代,運送や宿泊については専業者ができたので,問屋の営業内容はもっぱら商品の取扱いだけとなった。問屋の種類もいろいろあり,荷主の委託を受け,一定の口銭を取って貨物を仲買人に売りさばく荷受問屋,特定の商品を取扱う専業問屋などがあった。
さらに仕切込問屋と称する専業問屋もあって,荷主から商品を買取り,損益は自己負担で仲買に売渡すものであった。これらは,多く株仲間を組織し,共通の利害のもとに団結した。
大坂の二十四組問屋,江戸の十組問屋 (とくみどんや) などが有名である。
天保の改革後,廃止され,のち復活したが,明治になって卸売商人一般の呼称となった。
なお江戸時代に問屋場の業務を司った宿場役人も問屋 (または問屋役) と呼ばれた。